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猫又小判日記

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夢、おもうままに・・・

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その476 銭湯

花冷えのする夕方のことだった。

プールも行かず、どこか疲れて、珈琲でも飲みに行こうか、とぼんやり思っていた。


ふと、家から2分のところにある銭湯に行こうか、と思い当った。

身体も冷えていて、無性に温まりたかった。

道具をそろえて、なんだかウキウキする気分で銭湯へ向かった。


実は、うちのアパートは構造上、シャワーはあるのだが、浴槽がない。

それでも、慣れなのか、春夏秋冬シャワーで不便を感ずることはなかった。

ただ、ときおり温泉にでも行って、ゆっくりしたいなあ、とは思う。


それに加えてここのところの腰痛だ。

リハビリの治療でも、マイクロ波を当てて温めたりする。

銭湯で温まって悪いことがあろうはずがない。


いままで銭湯を避けていたのは、濡れるのが本能的に嫌いという性分からだ。

しかし、水泳を始めて水に親しむようになってから、

身体を濡らして、拭いて乾かす、という一連の作業が苦でなくなった。


そこで、久しぶりに行った銭湯はオアシスであった。

念入りに体を洗い、三つのお湯に次々浸かる。

三つ目を出るころには、首まで真っ赤。

一度出て、髪や顔を洗う。

もう一度お湯に、やや短めに浸かる。

最後に足を丹念に洗い、かかとも専用の器具でこする。

その間、約30分。

そして、上がったら、折よく水泳用に買ってあったラップタオルを身にまとい、

縁台に座り、汗が引くのを待つ。


銭湯の天井は高く、木桶の音が響く。

マイナスイオン一杯だ。

結局、三日間通ってみたが、銭湯の虜になってしまった。


ああ、なんでもっと早く行かなかったんだろう。

夏場はいざ知らず、もうしばらくは銭湯生活を楽しみたい。


因みに、この銭湯は同級生のご実家である。


その476 銭湯_c0244224_17284823.jpg



by miketa1025 | 2018-04-08 17:29 | Comments(0)

by 石井綾乃