その514 病み上がりのプール
熱い日射しが脳天を襲う。
8月いっぱい、夏風邪との闘いに明け暮れ、
ようやく快癒となり、スイミングクラブの水中歩行に出る気になった。
が、まだ病み上がりでちからが涌いてこない。
夏も終わりかと思わせた、昨日おとといの涼しさをひっくり返し、
今日は猛暑である。
でも。出かけた。プールに。
一度も引き返そうとは思わなかった。
プールサイドに腰かけると、プールの水色が目に優しい。
波紋をなんとなく見つめ、レッスン開始の時間を待つ。
そして。
入ったプールの水の心地いいこと!
いつもなら、開始までの、プールに入水してよいと決められたわずかな時間に、
蹴伸び、クロール、背泳ぎなどを練習する。
でも、今日は1か月近いブランクもあるし、
無理はすまいと誓っていたから、
プールメイトみんなのように、大人しく歩いてウオーミングアップした。
今日は水中歩行の日なので、余計な気負いはない。
45分間、水と戯れ、楽しく過ごした。
やっぱりプールはリラックスする。
水泳のときとは、水中歩行はまた違う。
私が、水が優しいと思うのは、水中歩行のときだ。
水泳のときは、技術が付いてこないこともあり、水と闘っていることが多い。
火曜日の水中歩行でリラックス&身体を水に慣らし、
金曜日の水泳で技術を習う。
そしてそれを、週に1,2回、区民プールでおさらいと予習に充てる。
自分にとって、大変よいサイクルとなっている。
9月に入ったらプール4年目になる。
こんなに楽しいスポーツがあるとは思わなかった。
というか、こんなに水泳が楽しいものだとは思わなかった。
スイミングクラブには、80代、90代の方がいらっしゃる。
皆さん、「60歳くらいから始めたのよ、全然泳げなかったのよ」と仰る。
皆さん背筋がピンとしていて、地上を歩くときこそ、杖を使われたりするが、
ひとたび水に入れば自由自在である。
こういう老後が理想なのだ。
なにせ、難行苦行ではなく、楽しい!と言うところがいい。
私はたぶん、一生水泳をやめないだろう。